LONGINES L962.2 電池交換メンテナンス

2019.9.12お預かりのLONGINES L962.2 電池交換メンテナンスです。

2本届いたうちの1本。

文字盤の焼け気になりますが、これは対応不可です。文字盤は触るとろくな事がない。
文字盤のシミですが、これは過去に湿気が入った状態のまま紫外線に曝されたものです。
おそらくムーブメントには湿気の痕跡があるでしょう。
「動作が怪しい」というご指摘がありましたが、恐らくは湿気の侵入による油切れ状態か?

同梱のグランドを、この「時計と同じサイズに」。というご依頼ですが「16cm弱」です。
16センチでも細身のサイズですから、かなり細い方のサイズ。

グランドは18センチですからかなり太い腕のサイズです。

ブレスのシミが気になると言う事ですが、これはシミでは無く「メッキの剥がれ」です。

ブレスがメッシュですから細部に汚れが溜まりやすく。
洗浄は行うしかありませんが、洗浄でメッキのハガレが進む可能性もあります。

裏蓋の裏側もチェックしますが・・・驚き!。
パッキン装着のガイドになる金属の壁が曲がって居る、こんなの始めて見ました。

パッキンを外して劣化具合をチェックしますが異常は無し。

こういう事があった証ですが。どんだけの力で突いたのだ・・・・。
これが原因で湿気が入ったか?

戻しておきますが爪で修正出来る物ではなく、ペンチで挟んでの修正ですからかなりの力です。

これがムーブメントで。

ムーブメント拡大。

電池格納部をチェクしますが端子が錆びております。

そして電池を横から固定する金色の金具、これが金属疲労でヒビが入っており。
これでは電池の固定が曖昧で、電池が外れた状態になるので動作不良が起こります。
この部分を交換するしか手段はありませんが、勿論パーツはありません。
似た様なムーブメントの潰しからパーツを取って、ここの収まるように
改造して入れ込むしかありませんが。上手い具合に付けるパーツが見つかるか?

竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。

竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。

ケースの内側もチェックしますが綺麗な状態。

ブレスは汚れは落ちるでしょうが金色が露出した部分は変わらないでしょう。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

ブレスはやはりメッキのハガレが進みました。

裏側は見えないとして、ケースもメッキが浮き上がった部分があります。

バックルも外して洗浄ですが、見事にメッキが吹っ飛んだ感じです。

さて「電池固定バネ」の取付ですが、半日仕事となりましたが改造部品の装着が出来ました。

裏蓋も洗浄して綺麗に。

パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。

時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。「ゆうぱっく指定」で連休ですから
発送は火曜日まで出来ませんから、その間。動作確認と致しましょう。

 

 

「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。

BRANDJAPANCASIOG-SHOCKその他不動修理受付不可