フェイク品の品質

先日、お預かりそたCHANELのフェイク品。先日、電池交換したばかりですが
温泉に入ったら「こうなった」とう事です。

ガラスの内側には水滴がありガラスの周辺は茶色く、カレンダー板までも茶色に。

ブレスはセラミックというのは本物と同じで、触っても分からないくらい。
でも裏蓋ネジの精度は粗く、キッチリは締まらないレベルの物。
締まっても温泉は無理があるでしょう。

竜頭が傾いているので隙間から入ったのか?という事ですが。

確かに表側は隙間が大きい。

この竜頭、本物は竜頭を締め込むと「回転ベゼルのロック」ですが
フェイク物はロックする物と、しないものと。
この時計は、回転ベゼルがロックする箇所としない箇所と。
回転ベゼルの遊びが大きいが為に横にずれるので起こる現象です。

また回転ベゼルが当たっているときに無理に竜頭を締め込むと
表の回転ベゼルに触れる部分は押し込めません。
すると竜頭が傾いて入りますが、普通はねじ込みが噛み合わないので気がつきますが
こういう時計は材質が柔らかいので、食い込んで締まります。
一度、食い違わせたネジは元に戻りません。つまり隙間が出来ます。

裏蓋を開けるとサビが。

白いスペーサーまでが茶色に。僅か二日の放置でここまで錆びるとは。

電池と金属パーツが見事に錆びておりますが。
海外へ輸出されるチープなムーブメントは素材が悪くても仕方がないでしょう。
国産なら、二日でここまでは錆びない。

ムーブメント取り出しでケースの内側もチェックします。

洗浄すれば、これくらいにはなりますが。

裏蓋も洗浄して綺麗になりました。

ムーブメント取り出しで、一晩乾燥させました。1時間ほどは動いておりましたが後に止まりました。

強制運針器に掛けると、スムーズに回りますので分解修理すれば動き出すでしょうが
分解修理出来るムーブメントではありません。

綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。

ブログネタに洗浄しましたが、「これはあきへんでした」
とだけ言えばご理解頂ける方だからで、クレームを言う様な方では無い。
信用を頂いているのと、説明すれば話しは通じます。
”あきまへん”で「私が出来る範囲を超えた状態」と理解されます。

こういう時計を普通に電池交換で受けると「電池交換してから、こうなった」となり。
またデザインだけで「防水の時計なのに」。
最悪は「兎に角、使える様に直してや」となり。無理と分かると
怒って出て行かれて、もう二度と来られません。

親切心が怒らせることになり、信用も無くし。技術力が無いと吹聴されるだけ損。
また預かり物なら余計に、厄介を抱え込む事になるので時計屋が断る訳です。

時計屋でない所では、責任云々まで言われるのかどうか?
電池交換を受けてくれる可能性は高いかも知れませんね。