時計バンド交換

「2006年3月31日」 

先日、年輩の男性が時計バンドの交換に来られました。

「ちょっとバンド換えてか」

「ハイ、時計はどのような物でしょうか」

「えっ!時計によってバンドが決まるのか?」

「いえいえ、幅です。幅をみないと決められないのです」(;^_^A

「ああ、そういう事か」

「これなんだけど、安いので良いわ。貰い物やしお金掛けられんわ、1000円くらいで無いか?」

見るとセイコードルチェの超硬質ケース、キラキラ光る腕時計。

「でも、これはドルチェですから、そこそこの物を付けないとバランスが取れませんよ。1.000円ではいくら何でも・・・」

「ほな、どれが似合うのや?」

「これなど如何でしょうか、ワニ革ですし、おそらく元はこういったバンドが付いていたはずですが」

「何やこれ!5.000円って書いてあるやんか。5.000円ってな、あんたタダの時計にそんなに掛けられるかいな」

「でも、その腕時計は高い物ですよ」

ふと、手元を見ると5.000円くらいの雑貨ウォッチ(ダイバー風)に、イタリー製の高級型押しワニのDバックルバンドが・・・おそらく1万円は出して交換したはず・・・。

「今、付けておられるバンドは高かったでしょう」

「おっ!さすが時計屋さんやな、見ただけで分かるか?」

「ハイ・・・」(時計は安物であることまで)Oo。。(_ _))

「これな、5.000円も出して買ったからな、元はメタルバンドやったけど、こういう厚い時計にはこんな感じも良いかなと思ってな、去年、東京に行った時に買ったんや」

”ただのケチ”では無くセンスはあるようですが・・・

 

超硬質ドルチェに選ばれたベルトは定価1.000円の黒い薄っぺらなウレタン・・

5.000円の腕時計に1万円のベルト。10万円の腕時計に1.000円のウレタンバンド。

色んな価値観がありますね。(v_v)

 

一気読み次は「以前の人」