腕時計の修理の質問集/腕時計のモニター電池とは?

腕時計のモニター電池とは?/2004年7月(記述)

腕時計の保証書には「この腕時計に内蔵されている電池はモニター用です」と
記載されております。この意味を分かりやすく解説すると
クォーツ腕時計に入っている電池は「モニター用」と言いまして
新品の電池では無いという意味です。

腕時計を販売する際には「電池代は含まれていない」と言う事です。
変な話ですが。かといって腕時計を購入する時に、
別途電池代を請求される事もありませんが。

腕時計メーカーとしては、腕時計が工場で生産された時点で電池を入れて動作確認をします。
そこで動作確認が出来れば本来は電池を外して出荷したいところです。
メーカーから時計店などに搬送する際、腕時計は動作していない方が時計に優しいからです。

しかし、それでは時計店に着いた時点で止まっている訳ですから。
時計店側では電池が入っていないから止まっているのか?。
運搬中の衝撃・または不良品で止まっているかが分からない。
かといってメーカーから入荷の度に腕時計の裏蓋を開けて電池を入れて
動作確認していたら手間も大変で非現実的です。

そこで、メーカー側は出荷時には便宜上「とにかく腕時計が動く容量のある電池」
(動くかどうかのモニター用電池)テスト用を入れて出荷します。
ただ、これは便宜上ですから、例えばその腕時計が「電池寿命2年」の腕時計としても、
それを保証するものでは無いのです。

 

メーカー側にすれば出荷時に動いていれば、出荷可能とします。
最悪は時計店に届いた時点で止まっている物もあります。
よって原則は「モニター用」である限りは、保証中であれ電池切れの場合は
代金は頂く事になっております。
しかし 現実は1年以内であれば時計店としては「保証期間」と言うことで
無料交換の対応をしております。

ただ、これは実店舗での話です。
「通販」では商品の受け渡しには「送料」の問題があります。
最近のネット販売の常識としてはユーザーが時計店に持ち込んで
「自費で電池交換して頂く」。こう定着しているようです。

もし、時計店に持ち込んで電池交換しても動かない場合は故障ですから。
「保証対象」で修理及び交換になります。

ただ、最近のネット通販で腕時計を売っているのは時計屋以外が殆ど。
これは時代の流れですから仕方がない。
時計が専門で無い以上は入荷時に止まっていても電池交換が出来ないです。
中には、そのまま「電池切れ」として発送する店もあるようですが。
かといって「発送時に動いておりますか?」と問い合わせても
「発送時は動いておりました」と回答されるでしょう。

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