腕から外すと遅れるクォーツ(止まる)
電池交換後1年も経過しないが腕から外すと止まる。



表題の症状ですが私の経験からは”今年も、そのシーズンがやって来たか”といった感覚です。(必ずしも写真のムーブに限定するといった意味ではありません。ムーブのイメージとお考えください)
写真の様なスイスムーブ。特に薄型のクォーツウォッチで年数が経つと多い症状です。毎年、寒くなってくるとシーズン中に10人はこの症状で来店されます。中には”電池交換してまだ数ヶ月なのに”とクレームになることも多々。
今年は、まだ11月なのにこの症状で最早2人目の方がこられました。”電池交換の保証中”という事ですが基本的に電池交換の保証というのはありません。何故かと言えばこの症状、開けて電池を測っても1.55V正常値の電圧があります。そして念の為に新品の電池に入れ替えても症状は改善されません。
電池交換後、数ヶ月〜1年はちゃんと動いていたのに”寒くなると遅れる”または止まる訳です。私の経験から最近の国内メーカーの腕時計では、まず見かけなくなりましたが。まだSWISS MOVE では、この時期になると多い様です。
これは経験から一番上の写真のムーブメントですが”青い部分が見えるのが特徴のスイスムーブ”でよく起こります。皆さんは裏蓋を開けてムーブメントを見る事は出来ませんが、このサイトの「電池交換コーナー/ブランド腕時計」を見て頂ければ分かりやすいです。購入後7年以降くらいから、この症状が出てる様です。おそらく”ムーブの油ぎれが原因”です。SWISSムーブはデリケートですから、油の汚れや硬化で寒さのダメージを受けます。腕に着けている間は腕時計が体温でぬくもっていますから、油も固くならない訳です。
つまり”腕時計は体温の36.5°環境下で使用される事を前提で設計されています。”もちろん雑貨ウォッチなどはまったく考慮されてはいないですが。(かと言って雑貨ウォッチが寒さで止まる事も少ない所が腕時計に対する認識をわかりにくくしています)
症状の改善には分解掃除(オーバーホール)しか、ありませんが費用はブランド腕時計ですから腕時計の購入が5万円〜10万円、またそれ以上はしているはずです。よって修理代金も¥30.000〜¥50.000くらいでしょうか。
一番多い問い合わせ方が”腕に着けている間は正確ですが、腕から外すと遅れる”です。油ぎれの状況にもよりますが、こういった場合。腕時計を外した後、普通は机などの上に置きますが、これをハンカチかタオルでくるんで一晩置いてみてください。意外にこれで夜中の間に止まったりすることを防ぐことが出来る場合もあります。根本的にはOHしかないのですが。
また、こういった症状を訴える方の腕時計は皆、綺麗な状態の腕時計が多いのです。つまり、あまり使用されていない。いわゆる”よそ行き用”。腕時計内部の低温状態が長い場合に多い訳です。
それと最初にも書いた”薄型クォーツ”です。薄型ウォッチは綺麗ですが、その分外部の影響を受けやすいのも事実。分厚い腕時計ならケースの厚みや頑丈さで外界の影響は受けにくい訳です。ロンジン・オメガの薄型クォーツをお使いの方、朝起きて腕時計が遅れていたら分解掃除の時期がきています。m(..)m
<実際のお客様の声で、ちょっと笑い話>
上記の説明をした冬を越えて町には春がやってきました。そして5月のある日、あのときのおじさんがやって来ます。
「にいちゃん、こないだはどうも、有り難う」
はぁ?既に半年が経過してこちらは覚えていません。
「去年あんた、寒くなったら腕時計が止まるって言ってたやろ」
「ああ、あの時の!」
「あれからな、寒い間は使わずにしまってたんやけど、もうそろそろ暖かくなったから大丈夫やろと思って先週、また出して来たんや。そしたらな、もう10日はめてるけどピッタシやわ!。
やっぱり、にいちゃん言ってたのほんまやったんやな。修理するの高いからこの時計、暖かい間のみ使うことにしたわ」
「暖かくなったら動き出すって、冬眠やがな!ガハハハハ・・・・」
なるほど・・・確かにその通り。ブランドウォッチは歳を取れば冬眠する?(;^_^A
こちら「クォーツは寒さに弱い?」も参考に。
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