アホかお前!

「2005年10月21日」 

先日、昼食をとっていると放送で呼び出されます。売り場に戻ると60代後半と思われる男性が店で待っております。

「お待たせしました。申し訳ござおりません。」

「あ、いやそれは良いのやけど、このバンド直してか」

見ると、¥1.000ウォッチのバックルの中央部が折れております。この部分はバネ棒とかでは無いですから修理は不可。

「申し訳ござおりませんが、この部分は修理は出来ない所なのですよぉ」

「えっ〜!!よ〜う直さんの!」

(関西弁で”修理する能力が無いのか?”ですか、かなり馬鹿にした言い方ですね。感覚としては時計店のくせに革ベルトの取り付けも出来ないのか?そんな言いましと同じです)

「ハイ、出来ないですねぇ。このバックルの端の部分ならピンを入れるだけですが、この中央が折れたら直りません」

「直りませんじゃ無いやろ!直せないやろ!」

(ここまで煽るのは、何処に行っても断られた証拠?)

「ハイ、申し訳ござおりません。言い方を間違えました。直せませんm(..)m」

「おいおい、お前アホか!時計屋がそんな事言って恥ずかしくないんか」

「恥ずかしいも何も、直せない物は直せませんし、ご指摘の通りアホですから」

「ほぉ〜う、自分でアホ言うとったら世話ないわな。ところで直してくれと、言うてるねん」

「だから無理な物は無理なんです。無茶を言われても困ります」

誰が無茶言うとんねん!バンド直せって言うてるだけやがな。お前が直す気がないだけやろ。出来んとって腕の無さを他人に”無茶を言う”はないやろ。」

(¥1.000ウォッチのバックルのピンを別に作成して特注作成料を請求して、納得する人など居ません。こういった方は¥100くらいか、あわよくば”タダ”でして貰える思っております。)

「では他も当たってみてください。私の力ではど〜うしようもありません。」

「こんな店まで構えとって、ぬけぬけとそんな事が言えるなぁ、あきれるわ」

「はい・・あきれられましても、出来ない物は出来ないです。どぉ〜してもと言われるならピンを特注すれ直りますが数千円はかかりますよ」

アホかお前!この時計”なんぼ”(関西弁でいくら)や思うとんねん。¥1.000やで!時計が¥1.000やったら、その部品は¥10くらいの物やろ」(やっぱりね!しかし・・)

”10円”(☆。☆)何という判断。購入価格から勝手に修理代金決めてる(;^_^A

その後も延々と”何故直せない?”の一点張り。こういった方は「高飛車に出るか」か「言葉が無くなるまで話をさせる」か、どちらかです。早く収めるには高飛車ですが・・・恨みもかおりますし、あまりそういうのは好きではありません。しかもそれでは笑い話のネタになりませんね。”聞く”方にしました。聞く限りはニッコリ笑って聞いて上げましょう。

そして15分、言葉が無くなると向こうも落ち着いてきます。そこで、こちらはニッコリ笑って親しげに。

「だからですね。私はそのアホでですね、能力が無くて、不器用で店番だけしか出来ない馬鹿店員ですから技術が必要な難しい事は出来ないのですよ。だから助けくださいよ。」と懇願します。

(ここまで言えば怒る方もおりますが、やっと自分が無茶を言ってる事に気が付いた様です)

「そっ!そんなに難しい修理なんか?」

「はい・・・こういった修理は腕時計を分解掃除も出来て、しかも部品までも自作出来るようなプロの中でもかなり腕利きの職人さんでないと、出来ない”技!”なのです・・・。」

しぃ〜〜〜ん(v_v)

間をおいて・・・「私の様な・・・未熟者では・・・残念ながら・・その技が・・ありません。」(かなり芝居がかってますが(;^_^A)

「そうか・・・技っか・・・。よし!分かった!。まぁ、腕がないんやったら仕方が無いわ。無理言っても可哀想や。ほなその職人でも探してみるか!。ありがとう!」と帰って行った。

もう”修理は無理と、高くつく”って事は分かっておりますから、探す訳はないと思おりますが、向こうの顔さえ立てば良いでしょう!

一件無事に落着させました!

 

 

これも”技?”(v_v)

子供の頃良く言いましたね。

”アホ言う奴がアホなんじゃ〜!”(ノ-_-)ノ ~┻━┻

次は「あ〜ら奥さん」

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