ROLEX18金無垢/10ポイント
「2005年9月18日」
先日、60代にはまだか?といった男性が入って来ます。私の店はスーパーの中にあるので殆どの接客は立ったままの会話で終了しますが・・。
「いらっしゃいませ」
「ああ、どうも。ちょっと座らせてもらおうか」大きく足を組んで座ります。
「ハイ、どうぞ。で、どの様なご用件で?」
「えらい、急かすなぁ。時計屋ちゅうような所は客をゆっくりさせるものやで」
「はぁ、どうも・・・」
「ところでな、今日はバンドを見せて貰おうと来たんやけどな、なんぼや?」
「なんぼと・・・言われましても・・・どの様なベルトがご希望で?」
「ん、まぁええがな。金属のバンドでなんぼや?」
「まぁ、¥3000〜¥5000くらいですかね、幅もありますから腕時計はどの様な物で?」
「¥5000!!高いなぁ、もっと安いのは無いんか?」(¥5000で焦っておりますね(;^_^A)
「まぁ、革ベルトなら¥1500くらいでもありますが・・・時計は?」
「これやけどな、ベルトが切れたんや。」ポケットから出て来たのは
「ROLEX18金無垢/10ポイント」・・・パチ!
これの金色を想像してください。
「素晴らしい腕時計をお持ちですねぇ。このベルトなら100万くらいですか」(^_-)-☆
「いや、これは偽物やで。あんたそんな事も判からんのか?」
「いえいえ、見たら直ぐに判りますが、でもこれに革ベルトでは余りにも変ですが」(;^_^A
「ええのや。今日持って来たのは偽物やからな。安かったら何でもええね」
「と、言ってもこの腕時計に革ベルトでは余りにも変ですよ」
「でも、あんた今、金属は¥5.000言うたやないか?安い革ベルトでええわ」
と言うことで黒い薄っぺらのカーフのバンドに決定。かなり変な時計に変身することになります。こちらが交換している間に色々話しかけて来ます。
「今、その時計買ったら、なんぼくらいや?」
「はぁ、これですか?オークションで¥5.000くらいから、あるのじゃないですか?」
「誰が偽物の話してるねん!本物やがな!100万はするやろ?」
「100万では中古も買えないですねぇ。中古でも150万くらいでしょうか?」
「そうかぁ〜150で買えるか・・・そんなバンド換えんと本物買う方が早いか・・」
(何、言ってんだ?このおっさん!)
「その150万のロレックス見せて貰おうか」(はぁ〜〜?)
「ウチはロレックスは置いて無いですが」
「何や、ロレックスも置いてないんか。折角、買おうと思ったけど無かったら、しゃぁ〜ないな」(絶対に買わないと思おりますが・・・)
「取り寄せれば2・3日で入りますよ。では注文しておきますね」
「えっ!いや何もそんなに急いでは無いからなぁ、来月にしとこか」
「でも、お客様の様な方が偽物では、おかしいですよぉ〜!」
「そやろ。こんな偽物はめてたら正直、恥ずかしい限りやしな」
(Date Just風に薄い革ベルト付ける方がもっと恥ずかしいです!)Oo。。(_ _))
「まっ・・まぁなぁ。それもそうやけどな。そんなん言われたら欲しなってきたなぁ〜!1本買っておくかなぁ。まぁでもな!来月や!今月は辛抱しておくわ」
「ハイ、お待ちしております。ではこれでベルト交換できましたので¥1.500頂きます」
「それ、なんぼかマケられんか?」(値切るんかいな!)
「それでしたら何も革ベルトに交換しなくてもこの、ベルトを直しましょうか?それなら¥500で良いですけど?」
「あかんあかん!それ偽物やからピンが直ぐに外れるんや。またピンが外れて腕時計ごと落としたら勿体ないがな!革バンドの方が安心出来るわ」(本物を買おうって方が、そんな発想するか?)
店を出ながら独り言の様に「(そうかぁ・・・150万で、あるんか・・・来月やな・・)」
将来は分かりませんが・・・先ず来月の購入は100%無い!
だって・・この方、金無垢ロレックスだなんだ大きな事言ってますが・・・手に提げてるヨレヨレの紙袋の中身。それに体の汚れ方から・・・どう見ても!
ホームレスですからぁ〜〜!
それに、入って来たときから・・時計までが・・・
プンプン臭ってます〜!
後で椅子の掃除と手荒いが大変でした(;_;)
一気読み次は「先にお待ちの方が」へ。