CITIZEN腕時計(シチズン)YSL 9620-H13821電池交換

YSL 9620-H13821

YSL 9620-H13821電池交換です。一見綺麗な腕時計ですが。”1時位置”のインデックスが錆びております。文字盤上のサビは殆どの場合ガラスからの湿気が入った為です。

ガラスとケースの接触面が金色にメッキされておりますから”ガラスの外れる前兆”を見逃しがちになります。これが文字盤キャリバー。

ステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋周辺は綺麗に掃除されております。

これがキャリバー。開け口はココ。

これが開けたところですが、裏蓋とケースの接触面がビッシリ汚れております。想像ですがこの腕時計すでに5・6回は電池交換されているでしょう。でも過去の電池交換の時に一度もケースの掃除がされていないのです。

そして竜頭パッキンの劣化で巻芯から汗が入ります。白いスペーサーを外すと1時位置のインデックス周りの文字盤裏側が錆びております。明らかにガラス面から湿気の侵入ですね。

竜頭もピンセットでは抜けません、かなりの力で引き抜きます。巻芯の先端までは及んでおりません。

このサビがムーブメントに落ちてよく腕時計が止まらなかったものです。サビとホコリでビッシリ。

竜頭パイプもチェックします。これが取り出した文字盤&ムーブメント。

この汚れを落として行きましょう。これがインデックス錆びていた位置です。

反対側は軽く拭くだけでこの通り。竜頭パイプを掃除して。

ガラスの裏側を拭いているとやはり簡単にガラスが外れました。接着剤が硬化しているのが分かります。ここまで変色すれば防水性能は半分以下です。

特にインデックスが錆びていた位置のガラス接触面のサビが凄い。この部分は完全に隙間が出来ている状態だったのでしょう。反対側は綺麗な方です。

 

裏蓋パッキンも一度も交換されていない様でです。写真でもパッキンが硬化している事がわかります。

外すとホコリが出て来ます。このパッキンですが電池交換の度に交換しないといけないか?ですが、そんな事はありません。電池交換の度に裏蓋のホコリを綺麗に落としてパッキンにシリコン塗布しておけば、パッキンに湿気が溜まりにくいですから劣化もしにくのです。

電池交換の度にメンテナンス出来ればパッキンも10年は使えると思おります。(使い方にもよりますが)

サビは削って洗浄すれば。ここまで綺麗になります。

ケースもサビがひどいところは完全には綺麗になりません。サビは落ちてもステンレスが凸凹になっているのがわかります。

腕時計を持つ人が全て腕時計の内部に興味は持ちません。こういう状況の腕時計は、わたしら仕事で電池交換している者にとっては10人に一人くらいの確率です。珍しはない状態です。特に高齢者の方が持ち込まれる腕時計はこの程度の状況になっている事が多いです。

そういう方は内部を見せて説明してお時間を頂ければ掃除しますよ。といってもメンテナンスを依頼される方は殆どおりません。”電池交換で動けばそれでいい”。そういう方が腕時計も持つ方の殆どを占めるでしょう。

よってこの状況の腕時計は持ち込まれる事は多くても意外に内部を撮影する機会は少ないのです。この腕時計の場合は外見は綺麗に使用されておりますから内部を見せると”是非宜しくお願いいたします。”という事で撮影の機会を得ました。

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シチズン腕時計電池交換トップ。2005年10月(記述)/2017.9.28修正