三つ折れのバネ棒及びバックルの外し方2
(写真右)□で示した位置は「微調整可能」と書きました、よって移動も可能です。
もう一度、写真を見て頂きまして。もし○の部分を外して、元通り○の穴に戻さず、
それ以外の(微調整部分)穴に入れたとしましょう。
一つ穴の位置がずれた位置に入れたら。
写真のように爪が届きません。 すると当然バックルは留まりません。
それだけならまだ元の位置に(○位置の穴に)戻せばよい話しですが。
戻す前に初心者は間違って入れた段階でバックルが閉まらない理由が分からない。
よって「おや!閉まらないぞ?」と無理に力で押さえつけて留めようとします。
これをやるとどうなるか?このバックルの「折りたたむ部分」。
板バネのカーブが変わってしまうのです。
何故カーブを変えたらいけないかですが。(※これを「板バネ」と呼ぶ所から「板バネタイプ」と言おります。)
板バネというのは”板状(薄い)”からそう呼びます。
上の写真「無垢バックル」と呼ばれる代物です。折り畳む部分の厚みに注目。
(このバックルが装備されると定価は5万円は越えます。
また、このバックルが装着されると必ず無垢バンドとなります)
この折り畳む部分のカーブを一度、変えてしまえば我々プロでも元に戻すのは至難の技。
(不可能と言っても良い)このカーブが変わるとバックルは閉まらなくなります!
だから曲がらない丈夫な無垢バックルが存在する訳です。
それに、これだけの厚みがあるモノが変形すれば修復はまず不可能です。
板バネのカーブを変形させないためにも。
「○」位置は「外させてはならない」のです。
よってこの部分には「伸縮しないピン」が入っていることが多いです。
ところが「多い」と書いたのは、最近は何でもコスト削減。
ここにまで普通のバネ棒を入れて、外れる様な構造の腕時計がよく持ち込まれます。
以上の理由から、とにかくは「この○位置、は触らない」事が重要。
「三つ折れ/何処に入れても良いタイプ」へ。2004年7月(記述)2017.6.13修正