割ピンの調整方法

腕時計のベルト調整方法のひとつで一番メジャーな「割ピンタイプ」です。
2004年、市販されている時計で定価が10.000円〜30.000円くらいの時計では
80%がこの方式です。では、 まずは下記写真。

腕時計ベルト調整割ピン式ベルト裏側

この方式の物は写真の様に必ず腕時計のベルトの裏に「↑」が刻印されております。
簡単に言うと、この方向にピンを抜いて戻すときは逆方向から。
それと注意点は、同じ写真K1でも分かる様に「↓」のマークが無いコマもあります。
ここは外せないですから注意!(ただ安価な腕時計は外せる物も多いです。)

「ピンの容姿」
まずは、ピンの形状から解説です。

腕時計ベルト調整割ピン式割ピン容姿

これが割ピンの姿です。これを見れば何故「割ピン」というかは一目瞭然!
(本来はこんなに隙間はないのですが、隙間を強調してみました)
この写真の○の部分。この「突起」が摩擦になってコマから抜けない様に
固定する簡単な構造です。

「腕時計のベルト調整に必要な修理工具」

この腕時計用の修理工具の解説は、こちら→「工具について1」

「ピンの抜き方」
まずは「上記写真、右下」のようにバイスに腕時計のベルトを固定すします。
もちろん写真の様に「↓」が下を向く様に。これ大切!
そこから上記写真の修理工具でピンが抜け落ちるまで打ち抜けば簡単に外れます。
同じ作業で、任意の個数だけをベルトのコマを外してから、今度はベルトを繋ぎます。
(もし、ピンが抜ける落ちるまで打ち抜け無かった場合は、下記にコラムで解説)

「ピンの戻し方」

繋ぐのは、今迄の逆をたどってハンマーで打ち込むだけです。下記写真を見て頂いて。
この状態にしておいてから打ち込みます。

腕時計ベルト調整割ピン式ピンの戻し方

注意点は「↑」の向きとは逆方向に打ち込んでいるのが、お分かり頂けますか?。
これを「↓」向きに打ち込んでしまったら、事が厄介になりますよ!
2004年12月の掲示板投稿ですが「簡単調整法(画鋲)」意外に簡単。
ただこの方法では以下のコラムの補足が必要になる場合が多いでしょう。

 

次は「スライドの調整方法」です!

以下は「コラム」ですからご興味のある方はどうぞ!


「専用の突く棒を使わ無かった為に、ピンが最後まで抜けない方に」

ピンは抜ける迄打ち込む!これが出来れば何の問題も無いのですが。
代用工具で作業すると、そうは行きません。
そこで、ここでは専用工具が無く、突くところが短い物を代用したが為に、
割ピンが完全に抜け無かった場合を想定しましょう!下記写真

腕時計ベルト調整割ピン式割ピン抜き方/写真K4

ここまで抜ければ後は指で引き抜くだけでは?と思った方も多いでしょう。
しかし、いくら新品で割ピンの突起の部分で留っているとはゆえ。
実は全てがそう簡単には抜けません。
中には。この突起部分の摩擦だけではなくピン自体が通る部分を細くして、
抜けにくい様にしてある物もあります。

これは制作段階で「何ミリ」のピンを通すからそれに合わせて
「何ミリ」の穴をベルトに開ければ良いか?なんて発想で作っておらず。
ひどいものになると、適当に穴を開けて適当なピンを強引に打ち込んだ商品もあります。
おまけにもっとひどい粗悪品になると、その打ち込んだ後から
ベルトにメッキしたものさえあります。

こういった商品は初心者ではかなり難易度が高くなります。
(ベルト調整など想定していない)話が完全に逸れてしまいました。
では「どうやって抜くのだ?」って事ですが。
これは、いわゆる「テコ」の原理です。(写真-K5)

腕時計ベルト調整割ピン式割ピン抜き方/写真K5

先の細いペンチなどで挟んで、しっかり握ってから。
ペンチの先(○印の箇所)を支点に引き上げます。
この挟んだ所と支点の距離が保てないと一度には抜けません。
その場合は少し持ち上げてからまた、挟み直して(下記写真)もう一度引き抜く!

腕時計ベルト調整割ピン式割ピン抜き方/写真K6

これをペンチの根元で挟んで、支点からから離した状態で一気に引き抜けば良いのでは?
と思った方がいてもおかしくはない。
それでは恐らくピンがカーブして、戻す時に苦労します。

言い忘れましたが、この支点になる部分にナイロンか
厚い目の紙でも当てないとベルトにキズが付きます。

「おまけ解説」
安い時計の場合に良くありますが、固くてこのペンチでは抜けない場合もあります。
そういった時は。

腕時計ベルト調整割ピン式割ピン抜き方/ニッパ

先ほどの写真-K5・6と似てはおりますがちょっと違おりますね。
これはペンチで挟んでいるのではなくて「ニッパ」です。

何故こんな物が必要なのか?。それは先ほども言った。
非常に固いピンを抜く場合に結構これが有効です。
ペンチでは滑ってしまう事があります。
そんな時、このニッパの刃で挟むと以外に滑らないのです。
もっともこの方法、裏技的ではあり推奨は出来ません。

ニッパは本来、物をカットする道具である限り、
握りを強くしてしまったらピンが途中で切れます。
よって、あまりお勧めではありませんが。
以上が「割ピン式」のアジャスト方法でしたが、 お分かり頂けたましたか?
この解説を読んで是非ベルト調整にチャレンジしてください。

おまけ解説
腕時計ベルト調整割ピン式/割れたピン腕時計ベルト調整割ピン式新しいピン

これは長年の使用で割りピンが割れて「割れピン」になった状態です。
もし、ピンを抜いてみて2本出てくれば、それは「割ピンだった」 ピンです。
2本差し込んで留まっているタイプは無いです。
もし、こうなっていれば抜くために工具をあてがおりますが
本来ハンマーで叩かないと出て来ないものが
指で突いただけで簡単にピンが出てきます。
割れたピンは修理は出来ませんから新品に換えるしかありません。
ただ「太さ」と「長さ」があります。

時計店に「割ピン」のみ買いに行っても対応が出来ないです。
よって腕時計を持参致しましょう。

(2004年8月8日)発見の方式。→「割ピン?」
参考にどうぞ! (いや〜、驚きました!)

(2004年8月15日)発見の方式。→「なに式?」

(2004年12月4日)発見の方式。→なに式」

(2004年12月5日)発見の割ピン(廉価版)

(2004年12月12日)発見の方式→「なに式?」

いきなりこの「割りピン式」から読み始めた方で。
自分の腕時計が「割ピン式」なのかどうか分からない場合は
左メニューの「割ピンタイプの判別」をご覧ください。
2004年7月(記述)・2017.6.15修正